ネットワークという技術

ここではEthernetとかTCP/IPとかの話。
10年位前は脚光を浴びていて、CCIEを取ると年収一千万位もらえるんじゃないかとか(実は今も本当にそうなのか? そんなことないよな)言う噂もあって、みんなネットワークエンジニアになりたいと思っていたものだった。運用手法、デザイン、機器など手探りな部分もあったため、実際仕事の量も結構あり、IT(というか、まだISと言っているところが多かった)のなかでのネットワークエンジニアの比率、地位も高まっていった。
もともと他の仕事(いわゆるパソコンのサポートの延長で、というパターンが多かったと思う)をやりながらネットワークのサポートをやる、という例が多かったものだが、ネットワークの果たす役割が大きくなるにつれ、専任のエンジニアが多くなっていった。そしてみんなネットワークエンジニアになりたがっていたものだった。
時は移り、ネットワークの重要性はますます高まったが(ネットワークにつながらない情報機器なんてなくなった。POMERAくらいか。そういった意味でキングジムの割り切りというか思い切りはなかなかできるものではないと思う)その過程でネットワークは「簡単にサポートできる」ことが求められ、標準的な製品、標準的なサービス、標準的な規格、標準的なデザインが定められていった。どこのユーザーでも構成は似たり寄ったりになって、例えば別の会社に移ってサポートをしろと言われてもほとんど戸惑うことはなくなったのではないかと思う。
結果として、優秀なエンジニアが能力を発揮できるエリアはどんどん少なくなった。そして、ネットワークは他のエンジニアが片手間で(例えばいわゆるパソコンのサポートの延長 AGAIN!)で行えるようになった。困ったときはパートナーを呼べばいいし、デザインも全部やってくれるだろう。
家庭用のネットワークにしても「昔はテレホーダイというのがあってね」なんて言う例を出すまでもなく、別にPCに詳しくない人だって昔の数分の一の費用で1000倍くらいのスピードでインターネットに接続ができるようになった。
なんて素晴らしい世の中だ。
新しい技術は陳腐化するのも早い、ということなのか、隣の芝生は青い、ということなのか。