グラン・トリノ が不愉快だった理由

ネット上での評価、分析をみて一晩寝たらグラン・トリノが不愉快だった単純な理由がわかった。
家族単位で考えると...

  • 主人公の家族

家族は知らなかったとしても、主人公の余命はわずかであり、死に場所を求めていた彼としては絶好の死に場所を得ることができた。そもそもの騒動を作り出す一端となってしまった事は不本意ではあるだろうけれど。家族も予想外の最後だったとはいえ持て余し気味だった父/祖父が死んでしまった事の喪失はそれほど大きくはない。プラマイゼロに近いかな

  • 隣の家の家族

家人がひどい目(なんて一言では言えないような事だけれど)にあったが、最終的に罪を犯したものはそれ相当の罰を思いがけず受けることになった。映画の中ではプラマイゼロ位? 個人的にはかなり損をしていると思う

  • (親戚の)不良の家族

うっかり主人公の挑発にのったため、重大な罪を犯しそれに見合っただけの罰をうけた。かなりマイナス。


人種ごとで見ると

  • 白人

主人公の家族+イタリア系床屋+アイリッシュ系現場監督+牧師=かろうじてプラス?

  • アジア系

隣の家の家族+不良の家族=かなりのマイナス
で、
僕の思う感じでは、アジア系の人種の方が大きく「損」をしている、というところが気に食わなかったんだと思う。そのような見方は心が狭い、という批判を受けても言い訳の仕様はないが、直感的にそう考えてしまったのは事実。で、隣の家の家族+不良の家族が、東洋人じゃなかったら、多分僕が受けた印象は(僕個人的には)大きく変わったものになるんだろうという事に気がつき自分の心の奥底にある、人種差別主義の強さにちょっと愕然とした。理性的には人種差別はあるべきじゃないと思うんだけどね。まだまだ僕も未熟者だという事だ。