市場をずんずん歩いていくと、なんだか西洋人がほとんどいない一帯に迷う込む。道も細くなってくるし、空がよく見えないので方角もわからないし、タクシーなんて走ってないし、立ち止まるのがちょっとおっかないようなムードになってきたので、ともかく大きな通りに出るまで歩くことにする。写真を撮る余裕も無い。せめて、「写真とっていい?」位のアラビア語がしゃべれればいいんだけど。しばらく歩くと、大きな道に出て、ガイドブックを見ながら座っている西洋人の女性を発見したので道を聞いて、ようやくどこにいるかわかった。タクシーもいたが、もう少し歩くことにする。しばらくごちゃごちゃした大通りを歩いていく。なんか背中が汚れているよ、と身振りで教えてくれる人がいたので「その手に乗るか」と思っていたが、後で見てみると、博物館の庭で昼寝をしたときにかなりジャケットにほこりがついていた。疑って申し訳ない。
途中歩道橋の上で、カオスとしか呼び様が無い道路をデジカメで取っていると、頭の上に半畳ほどの板を乗せてその上にパンのようなものを山盛りにして自転車に乗って車道を逆送している人がいた。次の瞬間バランスを崩して路上にパンをぶちまけていた。周りの人ともめているようだが不思議だったのは一生懸命パンを拾い集めていたこと。拾うってことは、何かに使うんだろうなぁ。でも馬車とかも走っているんだよなぁ。馬は垂れ流しだよな、とか考えると怖くなるのでやめる。